
| 自分を表現する方法を、作陶という手段を選んでいる現在、他の工芸にない表現
方法は、土から作るということを常に念頭に置いている。形を決める段階において、
やわらかい粘土を用いる―これを古人は活きている土といった。死んだ土(固まっ
た土)を用いるなら、作陶を選んだ意味がない。この活きた土をもって形を作るこ
とが、作陶家に与えられた義務でもあり、特権でもある。 このようにして作ったものを窯に入れ、焼かれたものには、きびしい形であって も、やわらかさがあり、冷たそうに見えても、どこか温かさが表現される。このよう な理想を持って、今、日々作陶に励んでおります。 |
(現代日本の陶芸 第9巻 伝統と創造の意匠(1983年 講談社)に寄稿) |