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青瓷から瓊瓷へ(青から白へ)
そっと静かに、青を除きて焔の囲みから解いてみる  忍

40年以上、青の青磁にひたすら、憧れ続けている。

そんななか、先年、常盤山文庫 中国陶磁研究会(独り言「テストピースの制作」を参照へ、青磁作家の立場として加わらせていただき、青磁の酸化焼成と還元焼成の違いを確認するために、テストピースの制作をおこなった。
今まで、ほとんど酸化焼成を試みてこなかったこともあり、私にとって、焼き上がったテストピースの色が大変新鮮に思えた。
特に、白い粘土に青磁釉を厚く施し、酸化焼成したものは、柔らかなアイボリーの色調となった。

その色調に見合った形を求めるうちに、その色調を、もっと、白く追求したくなった。

但し、永年の私の信条というか、『釉薬を通し、土の色をみる』という、私の青磁に対する「こだわり」を今回も変えたくなかった(白い釉薬で白色を表現することは避けた)

そこでまず、釉薬から、青の呈色金属の酸化鉄を取り除いた。そして、粘土にも、より白いものを捜し求めた。
真っ白な土に、鉄分を取り除いた厚い釉薬を施し、酸化焼成した、ねっとりと淡く、潤んだような白い色調は、やきものの肌というより、大理石、象牙、もっと言えば、「玉」のようにも、見える。

しかし、今まで、こだわっていたことが、今回、守れなくなった。
それは、表現する優先度合いの変化である。
今まで、形をより表現するために、粘土、釉薬を調整していたのだが、今回は。この釉調(釉薬を通して見る粘土)をより表現する形は何か!を求めた。

一見、白磁のようだが、今回の私の場合、青磁からの展開なので白磁とはしたくなかった。(白い青磁である)

そんな折、先日、遊びに来られた、旧知の中国陶磁研究家であられる中澤富士雄さんに、今回の作品を見ていただいたら、「瓊瓷(けいじ)」という名称を賜った。「瓊」とは美しい玉とのことである。

この釉調を生かした形を求めるに、造形という意識表現を限りなく省いた形が、相応しく思う。

口作りは、外に反らさない。(端反を省く)
高台は、作らない。(高台を省く)
と言う、内側へ内側へと(外に向かうものは省くことである)

 

これは、
粘土に於いても、白さを求める(不純物を省く)
釉薬に於いても、着色剤の金属を抜き取る(酸化鉄を省く)

というように、粘土、釉薬、造形に対し「省く」と言う、共通点が有ったのである。
まして、酸化焼成という、焔の囲みから解くということは、「焔を省く」でもあった。