生きた土 死んだ土
酒会壺を囲んで
汝官窯への想い
三千年目の再会
中国北方の旅
韓国 慶北 間慶窯にて作陶
そこに座れ
上林湖、景徳鎮の旅
中国江南の旅
宜興 丁蜀鎮
デビットコレクション
青磁の魅力を探る
和様と唐様
初代川瀬竹春
高麗青磁素文蓮花形碗
淡交会講演原稿抜粋
安宅コレクション
テストピースの制作
亡き弟からのメッセージ
魅せられた青磁と自作
奥深き中国陶磁の魅力
もし、出会っていなかったら
外焔
これからの茶道具
雨過天青
雨過天青
砧が一番!

 1、古典に学ぶ
我が家の家風は、
憧れる古典に学ぶことから発していた。
祖父より与えられた砧青磁
貴公子のような南宋官窯
慈悲深き女神のような汝官窯
唐三彩、隋白磁、六朝の響銅へ
そして、戦国のシャープな切れ味
まさに、巧技を超えた龍山の作行き

思えば、沢山の師に、教えを仰いだ。

2、独自の、造形へ
師は、何を師としたのであろう

庭に咲く花
花を受ける葉
枝に生る実
海を泳ぐ魚
天空を揺らぐ光

自らの憧れに、悩む想いでもあった。

3、一 碗
昨秋、正式に展覧会の御依頼を頂き、制作を始めるが、新たなる出品は
「ただ、一碗に託す!」と、決意した。

その折々の、自らの意いを、素直に感じ、「かたち」とするが
徐々なる気持ちの変化とともに、「碗の膨らみ」が変わっていく。
ところが、ある時から、もう、意いが進まなくなってしまった。
全てが、同じ膨らみになってしまうのだ。

そこで、自らの意いを解き放し、彼の方を想った。すると
昨日は「○○まる」
今日は「○○まる」
明日は「○○まる」
明後日は「○○まる」と、色々な膨らみが生まれた。

全てが焼きあがるが、一碗に決め切れず、
「進まなくなったまる」、と「それぞれのまる」の候補を、伏せて委ねた。
当然「それぞれのまる」の中から、選ばれると思っていた。
ところが、結果は何故か前者であった。

「にんまる」と命名した。

ちょっと悲しいが、まさに、にんまりである。

しかし、それは茶碗ではなく、もう、水下(建水)となっていた。

そして、・・・・・へ

4、笑苦火(えくぼ)
「にんまる」に、にんまり北叟笑んだ。
その、報いなのか、焼成に悩み苦しんだ。

火の神様が釉薬に与えた、ほんの可愛い「えくぼ」である

そういえば
私にも、与えてくれていた。

2011年 菊池寛実記念 智美術館 <個展>『川瀬忍の青磁 天青から 静かなる青へ』 に寄せて